ホーム > 金剛禅総本山少林寺東京都教区 > 東京都教区行事報告 > 永井比佐志教区長 年頭挨拶

2019年度金剛禅総本山少林寺東京都教区行事報告

永井比佐志教区長 年頭挨拶

あけましておめでとうございます。新年を迎えて皆様にこうしてお目に掛かれますことを非常に嬉しく、本当にありがたいことと思って感謝を申し上げます。昨年一年はどのような一年だったでしょうか。年末恒例の清水寺で行われる、一年を表す漢字には「災」という字が選ばれました。今年の本山での、師家による新春法会での挨拶の中でも「災」のお話をされました。「災」というものには二つあります。一つは自然災害、天災といわれるもの、もう一つは人災、人による災害というものがあります。天災の方は、残念ながら私たちには防ぎたくても防ぐことはできません。できることといえばその災害に備えて被害が少しでも少なくなるように自分たちの家族や知り合いの人と、いざという時にどうすれば良いかということを前もって対策を立てておく、備えをしておくということがやるべきことではないでしょうか。一方、もう一つの人災、人が起こしてしまう災害に対しては、私たち金剛禅の門信徒、少林寺拳法の拳士としてはできることがいろいろあるのではないでしょうか。昨年の大きなニュースで印象に残っているもののひとつに自動車の煽り運転による事故というものがありました。一つ大きな悲しい事故が起こっても、まだ他にも続くといったこと、あるいは、私たちの世界にも関係するであろう、セクハラ、パワハラなどのハラスメントの問題も起きました。昨年末に行われました本山本部での研修会で行われた講義の中で、組織として、指導者としてしっかり対応していくためには、相手をリスペクトすることが大事であるというお話が印象に残りました。相手をしっかり認めていればハラスメントなどは起こらないのではないでしょうか。「この人だったら許される」といった自分自身のおごりといったものがその原因にあるのではないでしょうか。この二つを聞いて気づくのは、少林寺拳法の「自己確立」「自他共楽」の教えを理解し実践することの大切さです。
  少林寺拳法の教え、金剛禅の教えというものを広くたくさんの人に知ってもらうということが私たち少林寺拳法、金剛禅に関わる者の務めであると思います。2017年の創始70周年のテーマを覚えていらっしゃいますでしょうか。「架け橋たれ」です。あの「架け橋」というものには、この大事な教えを次の世代に、発展させながら、また広く世界につなげるんだという思いがこもってると思います。これは70周年の掛け声で終わるということではなく、相手を認め自分を律するということをどんどん世界に、次世代に広めていくということが私たちに求められているのだと思います。
  昨年私は東京都教区の教区長に就任し、教区の充実を目指しました。教区の充実のために、門信徒の皆さんに僧籍に入っていただく、あるいは僧階を上がっていただくということがひとつの修行の成果であるとご理解いただき、ご協力いただければと思います。今年はこれを進めるため、教区の研修会に参加しやすいように、半日、または夜間、あるいは武専と協力して武専の中で、ということも考えたいと思います。皆さんの方からもこんなことやってほしい、あんなことやってほしいということをお話しいただければと思います。組織にとっていいことは必ずやります、是非一緒に少林寺拳法、金剛禅を盛り上げていきましょう。これからもよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。

(2019年1月20日 東京都教区新春法会より)

【写真】永井比佐志教区長年頭挨拶01 【写真】永井比佐志教区長年頭挨拶02 【写真】永井比佐志教区長年頭挨拶03